ゲッティゲン大学とマックス・プランク研究所、StorNextを使用して画期的な研究が可能に
それらの膨大な研究によりストレージのニーズは毎年ほぼ2倍に膨れ上がっています。「次世代のゲノム配列解析は膨大な量のデータを生成します。例えば、1つのチームによる1つのプロジェクトだけで、300TBものデータを保存する必要がありました」とGWDGの副所長であるPhilipp Wieder博士は話しています。
また、同センターでは、ゲッティンゲン大学、ニーダーザクセン州、ゲッティンゲン科学アカデミー向けにサービスを提供する「ゲッティンゲン州立ならびに大学図書館(Göttingen State and University Library)」もサポートしています。「この図書館ではデータをデジタル化し、物理オブジェクトのモデルを作成しています。すべてのデータをしかるべき場所に保存する必要があります」とWieder博士は話しています。
40,000名を超える数のユーザーがいるため、「我々は、数十億個のファイルと膨大なデータ・ボリュームを扱うことのできるファイル・システムを必要としていました」とGWDGのITインフラストラクチャ部門責任者であるStefan Teusch氏は話しています。
ディスクとテープにまたがる7PBのマルチ階層型ストレージ環境を作成
GWDGのストレージ・システムは複数の階層を利用しています。「我々は現在、StorNextで2.5PBのデータをディスク上に、4.5PBのデータをテープ上にそれぞれ保持しています。我々の目標は、単一のファイル・システムを通じてデータにアクセスできるようにすることでした」とTeusch氏は話しています。テープ・ライブラリが持つ経済性のおかげで、同センターは10年以上データを保存するという要件を満たすことができるようになりました。
同センターでは、10年以上前にクアンタムのStorNextを採用しており、長年にわたって同システムを拡張してきました。「我々の経験によれば、StorNextは、我々が管理する必要のある膨大な数のファイルと膨大な量のデータを処理できると同時に、高度な性能も提供する業界唯一のプラットフォームです」とTeusch氏は話しています。
科学者が利用する各種のオペレーティング・システムをすべて簡単にサポート
StorNextを使用することで、同センターは、そのユーザーが使用するオペレーティング・システムのすべてをサポートできるようになりました。「多くの科学者、特に自然科学の研究者はUNIXやLinuxを使用しますが、それ以外のユーザーはWindowsやMac OSを好んで使用します。StorNextを導入することで、我々はこれらのすべてのオペレーティング・システムを簡単にサポートできるようになりました。ユーザーは、各自のワークフローを一切変更することなしに、各自が必要とするデータにアクセスできます」とTeusch氏は話しています。
イーサネット経由で高速の共有ストレージを利用することでHPC処理を実現
StorNext環境からデータへのHPCクラスタによる共有アクセスを提供するために、同センターのITグループではStorNext分散LANクライアント(DLC)とゲートウェイをインストールすることで、ロード・バランシングとフェイルオーバーを実現しました。「StorNext DLCの導入により、すべてのHPCノードをファイバ・チャネルで接続する必要はなくなりました。我々はこれまで通り従来型のイーサネットを使用できます。HPCユーザーは2GBpsの性能を要求していましたが、我々はStorNext DLCの導入により3.2GBpsの性能を達成しました。研究者は大量のデータをHPCクラスタに移動して処理し、その後再び長期ストレージへと移動することが簡単に行えるようになりました」とTeusch氏は話しています。
ディザスター・リカバリー用にデータのコピーを保存
データを保護するために、同センターのITグループは、StorNextポリシーを使用してプライマリ・データのテープ・コピーを作成しています。「ハードウェア・デバイスが故障した場合やストレージ・システムが失われた場合でも、我々はStorNextテープ・ライブラリ内にデータのコピーを保持しているため、素早くデータを復元できます。これにより、ユーザーはすぐに仕事に復帰できます」とTeusch氏は話しています。
マルチ階層型のストレージ環境が成長を続けた場合でも、StorNextの管理はシンプルなままです。ITグループは、追加のスタッフを雇用する必要や、既存のスタッフを他のプロジェクトから引き抜く必要もなしに、拡張されたストレージ環境を引き続き管理できます。
将来はStorNext環境のネットワークを構築
同センターのITグループでは将来、StorNextの新たな実装方法として、ドイツ全土で複数のStorNext環境を互いに接続したネットワークを構築することを予定しています。GWDGでは、スケーリング、性能、マネージャビリティに関する同センターのニーズを満たすソリューションとしてStorNextを捉えています。
「我々のワークフローがより過酷な要件を持つようになり、環境が進化し、管理チームが変化した場合であっても、StorNextは我々のニーズを満たすことに成功しています。我々は、今後もStorNextが我々のニーズを満たすであろうことを確信しています」とWieder氏は話しています。