StorNextでポーランドの放送局がデジタル化へスムーズに移行
Quantum StorNextが大手放送局のオール・デジタル化を支援
nc+がインフラストラクチャのオール・デジタル化を決定したとき、このポーランド有数の有料TVサービス会社は、ビデオ・テープの移動作業の負荷から制作チームを解放して、高品質のコンテンツ配信に注力させるために、StorNext®を選択しました。その結果、スペース、時間、そしてコストの削減につながりました。
遅い手動ワークフロー
海外の映画からスポーツの試合の実況放送に至るまでの放送素材に特化するnc+は、ポーランドの大手プレミアムTVサービス会社です。同社は最近、ワークフロー、再生、およびアーカイブ・プロセスを変革する革新的な放送技術を活用し、オール・デジタル化のファイルベースのシステムに移行することを決めました。nc+の古いインフラストラクチャはビデオ・テープの作業に基づいていました。手動システムは新しい素材の作成に時間がかかり、既存のコンテンツの再利用も複雑で時間のかかるプロセスでした。すべてのジョブでテープを取り出す必要がありました。コンテンツを更新する編集はすべて直線的に行われました。そして、映像の取り込みから再生までのプロセスを何度も手動で繰り返さなければなりませんでした。
新システムの主な目標は、新規および既存のコンテンツのワークフローの効率化、編集およびポスト・プロダクションの時間短縮、トランスコーディング処理の自動化、および次々に生まれる新しいプラットフォームに迅速かつ容易に対応できるようにすることでした。システムのアップグレードに関して、nc+は、大手ビデオシステム・インテグレータのSAD社と密接に協力して、異機種環境のインフラストラクチャを開発しました。そのため、環境の異なるアプリケーションをまたいで効率的にコンテンツへ統合的なアクセスができるように、オープン・システムに対応したストレージ・システムを構築することが重要になりました。あらゆる選択肢を検討した結果、nc+とSADは、クアンタムのStorNextファイル・システムとStorNext AEL6000アーカイブを選択しました。
メリット:階層型ストレージ、高速アクセス
nc+の新しいシステムでは、StorNextファイル・システムは200TBのニアライン・ディスク・アーカイブを制御し、このディスクに、ファイル化されたあらゆるコンテンツを取り込み、低解像度のプロキシを保持し、プロダクション、品質管理、トランスコーディング、再生に使われる多数のサーバーから高速ファイバ・チャネル回線経由でコンテンツを利用できるようにしています。さらに、StorNextストレージ・マネージャ(SNSM)ソフトウェアを使用して、ニアライン・ディスクの容量とデジタルLTOテープと2台のStorNextのAEL6000アーカイブに統合する1つの共通のストレージ・プールを備えた階層型ストレージ・システムを構築しています。
アーカイブでは、最新の資産がすべてディスク上に置かれ、古いコンテンツはSNSMによって長期保存用のテープに転送され、冗長化のために各資産のコピーが2つずつ自動的に作成されます。すべてのコンテンツのプロキシがディスク上に残っているため、迅速なアクセスが可能になります。SAD社のプリセールス・マネージャー、Mateusz Karolak氏は言います。「StorNextによって、該当するファイルを探し出し、目的のコンテンツを引き出して適切なフォーマットで配信するまでの複雑なジョブが、迅速な自動化プロセスに変わりました。私たちの計算では、全体的な生産性は30%向上しました」
その結果、現在だけでなく将来においても強力な資産となるストレージ・ソリューションが構築されました。nc+のTV Technology and IT Systemsのエグゼクティブディレクターを務めるJaroslaw Kordalewski氏は次のように述べています。「StorNextは、必要なパフォーマンスと信頼性を提供するだけでなく、非常に拡張性のあるシステムです。私たちは現在、1.5PBを超えるデジタル資産を効率的かつコスト効率よく管理できていますが、今後12ヵ月間で増加が見込まれるペタバイト単位のデータ増加にも容易に対処できます」