カルガリー市警察による監視ビデオの増加の管理に貢献する、StorNextのペタバイト規模のストレージ・システム

新しいボディカメラ・プログラムのコンテンツ管理の課題に直面し、カルガリー市警察は、新たな監視ビデオの増加に備えるべくシステムの強化を図りました。同警察のIT部門は、バックアップ専用に使用していた既存のクアンタムLTOライブラリを活用し、創造的な解決策を見出しました。StorNextのスケールアウト・ストレージを追加してライブラリをパーティション分割し、自動階層化機能を追加することで、高容量で低コストの拡張性に優れた監視ソリューションを構築することができました。しかも、従来のディスクのみのソリューションを展開する場合の半分の価格で実現できたのです。

ディスクの半分のコストでボディカメラ・アーカイブにペタバイトのビデオを保存

カルガリー市警察のIT部門は、ウェアラブル・ビデオカメラを使用する新しいプログラム(50台のカメラで開始し、1500台以上に増やす計画)を検討したとき、従来のストレージ・システムでは対応できないことが判明しました。この新しいカメラで取り込まれる画像は1時間あたり2.3ギガバイト、勤務時間あたり18.4ギガバイトにもなります。すなわち、ITチームがやがて管理することになるビデオ・コンテンツの量は1ペタバイトに達する恐れがあり、新しいソリューションを構築する必要がありました。

既存のインフラストラクチャを使用したバックアップとアーカイブの統合

ITチームは、既存のリソースを拡張し、自動階層化ソフトウェアを追加することで、新たなニーズを満たし、コストを低く抑える方法を発見しました。

Dunn氏の説明によると、「このプロジェクトの優れた点の1つは、ゼロからスタートするのではなく、既存のリソースを拡張できることです」

カルガリー市警察は、エンタープライズ向けのScalar®i6000ライブラリにアップグレードし、複数のアプリケーションをサポートするためにライブラリをパーティション分割しました。片方の仮想ライブラリはIT部門のバックアップを保持し、もう片方のライブラリはビデオ・アーカイブ用です。

シンプルでコスト効率に優れたビデオ・ストレージの開発

カルガリー市警察では、サイズの大きなビデオ・ファイルや大量のファイルを管理するために、アーカイブ用にQuantum StorNext®ソフトウェアを選択しました。このソフトウェアは、極めて低コストで容量の非常に高い異なるストレージ階層間でデータを自動的に移動し、データ保護用に複数のコピーを作成します。

Dunn氏は次のように述べています。「監視データはIT部門の直接管理下で維持され保護される必要があります。しかし、ほとんどのデータは二度と見られることはありません。したがって、データの出し入れの激しいディスクにデータを保持しておくのは、まったく意味がありません。StorNextを使用すれば、それを避けることができます。従来のリソースや現行のライブラリを活用してすべてのデータを格納することができます。しかも、これまで検討したディスクのみのソリューションよりもはるかに低いコストで実現できるのです」

階層間でデータを自動管理

ボディカメラの映像はすべてStorNext環境に直接取り込まれ、クアンタムの高性能ディスクに30日間保持されます。バックグラウンド処理で、StorNextは自動的にテープ内にファイルのコピーを2つ作成します。そのうちの1つはライブラリ・アーカイブに保持され、もう1つはオフサイトに移動されます。

StorNextでは、ディスクに保存されているファイルもテープに保存されているファイルも、ファイル・システムの単一のインターフェースに表示できるため、IT部門はたった240TBのディスクで約1ペタバイトのデータを管理できるようになります。

「ディスク容量を少なく使用できるのはStorNextの能力のおかげです。このプロジェクトのコストをIT部門の管理下に置くために、まさに必要としていたものです。さらに、データ保護や長期保存など、ディスクのみのシステムでの頭痛の種だった課題も解決されます。」

新システムはディスクのみによる方法の半分のコストで構築されました。

長期にわたって保護とアクセスが保証されるテープ・アーカイブ

Scalar i6000は、キャパシティ・オン・デマンド方式を使用したストレージ拡張が容易で、複数のアプリケーションをサポートするためのパーティション分割も可能です。オプションのデュアル機構により冗長性が確保され、高いパフォーマンスを維持できます。軍用レベルのテープ暗号化と鍵管理によるセキュリティも万全です。さらにExtended Data Life Management(EDLM)によってデータの読み取りが保証されます。

将来を見据えた柔軟性

「記録テクノロジーは進化するため、ベンダー1社にロックインされないようにする必要があります。StorNextはファイル・システムのインターフェースを搭載し、さまざまな種類のカメラ・システムに対応しています。つまり選択の余地があるということです」と、Dunn氏は述べています。